保育士実技試験~試験官は何をみたいのか~
みなさん、こんにちは。
Panda’s breath(パンブレ)の関まりねです。
今回も前回に続き、実技試験(言語)についてお話します。
前回予告した通り、今回は
「実技試験(言語)で不合格になる理由と試験官が求めるもの」
についてお話していきたいと思います。
実技試験は、筆記試験に比べて
「合格しやすい」とか「落ちる人ほとんどいない」と言われてますよね。
実技試験だけの正確な合格率は公表されていませんが、
過去20年以上保育士試験対策に携わってきた私の印象では、
確かに合格率は高いと思います。
今の言語の試験課題は、4つの題材が決められていて、
その中から一つを選んで、3歳児に向けた話し方で当日発表するという内容です。
つまり題材と話す対象の年齢が予め提示されている試験内容となっています。
この試験形式になってから、実技試験の合格率が上がったように思います(あくまで私の肌感覚です)。
実技試験は「落とすための試験ではない」とよく言われますが、
その通りだと私も思います。
実技試験当日、私はスクールで待機していたのですが、受験終わりの受講生から、
「緊張しすぎてタイトル言うの忘れちゃった。もう落ちたよね」
「時間ぴったりに終われず、最後の一言の前で切られちゃった。」
「途中で止まっちゃって・・・何とか続けたけどダメだと思う」
という電話がよくかかってきました。
そんな頑張った受験生に、私が言えることはひと言だけ。
「お疲れ様でした。やるだけのことはやったんだから、結果が出るまでゆっくりやすんでね」
でした。
筆記試験と違い、実技試験は当日の様子は本人しか(あるいは本人も)わかりません。
なので「きっと大丈夫だよ」と無責任に言えないし、
「残念だったね、次また頑張ろう」とダメな前提で励ますこともできません。
ただ、その後、結果が戻ってくると、
試験後に半泣きで電話をかけてきてくれた受講生のほとんどが合格していました。
この様子を何年も何年も見続けてきて私が気づいたことは、やはり実技試験は、
「落とすための試験じゃないな」ということと「試験官も鬼じゃないな」でした(笑)
私たちが生きていく上で「絶対」なんてないと思います。
どんなに練習をしても、どんなに準備万端でも、
試験当日は何が起こるかわかりません。
まじめに頑張っていても、練習のしすぎで当日声がかすれてしまうこともあります。
でもきっとそんなことは試験官はわかっているのだと思います。
言い間違いや言葉をかんでしまう姿をみても、
それが「緊張」からくるものなのか、「練習不足」からくるものなのか、
試験官にはわかると思います。
であれば、当日の発表の完成度だけが評価点ではなく、
その他何が求められているのか、試験官は何を見ようとしているのか。
それは、
当日までにどれだけ頑張って練習を積んで(努力して)きたか
だと私は思います。
当然ですが、保育士は、子どもの前で歌ったり、絵を描いたり、お話をしたりします。
つまり、子どもにとって保育士は、人間としての見本(モデル)なのです。
子どもに真似されてもいいように常に心がけ、
何度も繰り返し練習を重ね、自分のベストの状態を子どもにみせるべきなのです。
その覚悟をもって、その姿勢で試験に臨むために、
練習をどれだけ頑張り努力したのか、を試験官はみたいのだと思います。
だから、多少言い間違えても、止まってしまっても、
時間前にお話しが終わってしまう、なんてことがあっても、
それは些細な問題なのです。(気にするのはそこじゃない!ってことです)
だからと言って、多少のことがあっても誰でも合格にしてもらえると考えるのは甘いのです。
合格率は高くても、実際、不合格になる人はいます。
30点が合格ラインの試験ですが、
30点で胸を撫でおろした人もいれば、
29点に泣く人もいるのです。
私が考える不合格の理由は・・・
①実技試験を甘くみて油断した
②あきらかに練習不足
③子どもを意識した表現ではない(保育士試験の発表ではない)
ざっくりというとこの3つです。
①は子どもと関わったことがある経験者が、
練習しなくてもお話くらいできると甘く考えて、
当日試験に臨み、失敗するケースです。
②は、様々な理由から練習時間が不足していて、
自信をもった発表ができないケースです。
練習時間がとれなかった理由に、
筆記試験に合格するとは思っていなくて、
筆記の正式結果が出た後からの実技試験の準備を始めた人も多く含まれます。
③保育士試験であることが頭から抜けてしまい、
「上手に話す」ことばかりに意識が向いてしまい、
目の前の子どもを想像せず、独りよがりで話を進めてしまうケースです。
実技試験は人が評価する試験です。
だからこそ、できれば試験官にいい印象を与えるために、
服装や振る舞いをよくしておきたいと思うのは正しい判断ですし、大事なことです。
なので当日の服装などを気にされる方がとても多いのですが、
それも実は些細なことなのです。それが評価に大きく影響をすることはあまりないと思います。
試験官も「自分の評価で保育士資格を与えてしまう」
という責任の重さを感じながら評価しているはずです。
試験官が、何をみようとしているか、何を求めているのか、を考え、
「これは保育士試験なんだ」ということを忘れずに
試験当日「私は練習をやれるだけやった。だから大丈夫」
と自分を信じられるように、今はとにかく練習をとことん頑張ってください。
結果は必ずついてきます。
試験後に後悔しないために。今できることを頑張ってください。
応援しています。