保育士実技試験【言語】の30点(合格)と29点(不合格)の間の壁
みなさん、こんにちは。 Panda’s breath(パンブレ)の関まりねです。
保育園は秋の行事が少し落ち着いた頃でしょうか。
それでも園によっては、年内に発表会や親子参加の行事があったり、年長組の担任の先生は、就学に向けた準備がそろそろ忙しくなってくる時期でもあります。
つまり保育園は、年がら年中忙しい!ということです。
今月は、保育士試験を受験されたみなさんにとっても忙しい秋でしたね。
保育士後期試験の受験、お疲れ様でした。
受験から1週間がたち、少しお疲れがとれた頃かと思います。また、ご自身の結果(解答)をスクールや業者が出している解答速報(予想解答)と照らし合わせて、自己採点をされた方もいらっしゃると思います。
以前もブログで書きましたが、解答速報などによる自己採点は、次の実技試験の練習を1日も早く始めるために重要です。
なぜなら、実技試験は、練習をすればするほど合格に近づくことができるためです。
なので正式結果が出てからの実技の練習では遅いのです。
筆記の自己採点が合格ラインを超えている手ごたえのある方は、ぜひ実技試験の練習に入りましょう。
★実技試験への不安があふれている
実は、先日の筆記試験が終わった頃から、私が以前書いたブログ(実技試験について)に再度、多くのアクセスをいただいております。ありがとうございます。とても嬉しいです。
アクセス状況の詳細を確認してみると「実技試験に対する不安」を多くの方が感じていることがよくわかりました。
特に検索でアクセスされているキーワードは
●保育士試験 試験官
●保育士試験 言語 不合格 理由
●保育士試験 言語 落ちた
などのちょっと後ろ向きなキーワードが多かったのです。
みなさん、「どうやったら合格するのか」よりも「どうなったら落ちるのか」の方が気になるみたいですね。
そこで今回は、以前スクール講師をしていた時の経験から、
実技試験の合格ライン30点と不合格になる29点の1点の違い
についてお話したいと思います。※以前書いたブログと多少重複するところがあります。
★ノーミスでも29点になる現実
私は、本試験の試験官をしたことはもちろんありません。
ただし、保育士スクールにて、20年以上実技試験対策(言語)の担当講師をし、1,000人を超える方々の発表をみてきた経験があります。
私が所属していたスクールでは、筆記と実技をすべて受講する全プランの受講生と、実技のみ受講する実技プランの受講生がいました。
その実技のみ受講プランの方の中には、毎回「前回29点で実技が不合格になりました」という方が必ず数名はいらっしゃいました。
そして、その方たちはワラにもすがる思いで、私たちを頼って受講しにきてくださていました。
私は、そのご本人たちから状況をお聞きし、お話の表現をみて
「なぜ試験官は29点を付けたのか」
を探っていきます。
ただ、表現をみるとだいたいその理由がわかりました。
多くの場合、ご本人は
「29点で落ちた理由がわからない」
とおっしゃいました。
具体的には以下のような状況を教えていただきました。
●試験時の発表は、間違えることもなく、時間もぴったりで、自信があったが29点だった。
●試験官が替われば合格できると自己判断し、同じ練習方法で2回目の試験に臨んだ結果、やはり29点で不合格となった。
29点だった方々は、ご自身では自信があり、ミスもしていないため、何がダメだったのかがわかりません。そのため次回に向けた対策が立てられずに、私たちを頼って来てくださったのでした。
★試験官がつける30点(合格)の責任の重み
確かに筆記試験と違い実技試験は試験官(生きているヒト)がその場で評価をする試験です。
人によって多少判断が違うことは起こり得ます。もしかしたら試験官が替われば、29点ではなく30点がつけられるかもしれません。
ただし、どの試験官であっても29点にするか30点にするかの微妙なラインの場合は、相当悩むと思います。
保育士になれるかどうかである「30点」をつける試験官の責任は大変重いのです。
また、試験官がどんな気持ちで29点をつけたのかを想像すると、自分事のように胃が痛みます。
過去に実技模擬試験で多くの受講生の発表をみて、評価をしてきた私には、試験官のその気持ちがわかる気がします。
正直、表現的には、29点も30点もほとんど差はありません。
それならなぜ29点をつけるのか。
私は考えます。試験官ならこう思うのではないかと。
自分がつける30点(合格)により、この人を保育士として認めることになる。
ミスもない。時間もほぼジャストでできている。でもあと一歩が足りない。
ほんとうにこのまま30点をつけてしまっていいものか。
やはりもう1回しっかりと練習を積んで、納得のいく形で自信をもって保育士になってほしい。
だからあえて「もう少し頑張って!」という気持ちを込めての29点とする。
そのような試験官の心の声が私には聞こえるような気がするのです。
実技試験は、落とすための試験ではない
その通りです。そして、1日も早く保育士になってほしい、一人でも多くの保育士を一刻も早く子どもたちの待つ保育現場に送りたい、関係者はみんなそう思っているはずです。
でも、そこであえてあと1点で合格の門を通らせなかったからには、深い思いが込められているように思います。
★自分の表現(お話)をいまいちど見つめ直してみよう
試験までには何十回と練習を積んでいくことでしょう。そのうちにだんだん練習が機械的になり、間違えないように、3分で終われるようにということばかり気にして、練習に飽きてくることがあります。
自分がつまらにと思っている話を、相手(子ども)が楽しんで聴いてくれると思いますか?
子どもには、ストレートに伝わりますよ。
いまいちど以下を確認してみましょう。
言語の表現最終checkポイント!
●保育士として子どもに向けたお話の仕方ができているか(明るく笑顔で)
●はっきりとした明瞭な声が子どもに届いているか(小さな声じゃないか)
●相手に視線と気持ちを向けて話しているか(聴いている子どもを想定できているか)
●ひとりよがりの表現になっていないか(私の話面白いでしょの押し売りじゃないか)
●練習の手を抜いていないか(自己判断で油断していないか)
●間違えなければいい、3分に収まればいい、それだけを考えた表現になっていないか
●気持ちがこもっていない(つまらなそうな)表現になっていないか
さらに、できれれば試験までに、誰かに表現をみてもらい、率直な意見をもらう練習をしておくと安心ですね。
★実技試験は「保育士になるための試験」であることを忘れずに
最後にもう一度いいます。
これは「保育士になるための試験です」
お話のプロになるための試験ではないので、スキルのみを評価されることはありません。
アナウンサーのように流暢に話せても、それが高く評価される試験ではありません。
「子どもに伝わり、子どもを楽しませることができる表現か」を評価される試験だということを、忘れないでくださいね。
そして、試験当日は、何があっても最後の最後まで諦めない!
心から応援しております。