サンタになれた日のことを忘れない
みなさん、こんにちは。 Panda’s breath(パンブレ)🐼の関まりねです。
あっという間に12月も中旬となりました。
年々月日がたつのが早くなり、実はこっそり1年が364日に、1日は23時間になっているのではないかと思えるくらい早いです。
―光陰矢のごとし 歳月人を待たず―
今年もあと数週間。今の日々を大事に過ごしたいと思います。
さて、いつも忙しい保育園は、年末年始ももちろん大忙しです。
年が明けると保育士の先生方は、もう「春(来年度)」のことを意識しだします。
「来年度は何歳児のクラス担任になるのかな」
「退職や移動の先生はいるのかな」
「年度末の片づけと年度はじめの準備はどうしよう」
などなど。
―来年のことをいえば鬼が笑う―
鬼どころか、オオカミもオバケもトロルもみんな大笑いするかもしれませんね。
そんな12月には、多くの保育園で「年末おたのしみ会」や「クリスマス会」🎄が実施されます。
なんといっても12月の主役は「サンタさん🎅」ですよね!
今回は、私が経験した「サンタさんになれた幸せな日」のことをお話します。
むか~しむかし、私が特に印象に残っている保育園のクリスマス会のことです。
会の企画担当の先生から、私はサンタ役という大役を任されました。
当時一緒にお仕事していた用務員さんが、今でいうコスプレ名人のような方で、それはそれはみごとなサンタに仕上げてくれました。
体系、髪、まゆ毛、ヒゲを念入りにつくっていき、私の黒い髪の毛1本すら見えないようにしてくれました。ほんとすごかった。
どこからみても、絶対私だとは気づかれない自信がありました。
サンタの準備はバッチリ。スタンバイOK!
いつでも登場できる状態で私はわくわくしていました。
・・・が、司会の先生から、会の途中でタイミングよく登場してきてほしい。だから子どもたちに見つからないように「外で隠れててね」と指示がありました。
そのため、私は真冬の寒空の下、ベランダで隠れて待機となりました💦
ええ、もちろん待ちましたとも。寒さでガタガタふるえながらサンタの(薄着の)ままで。
その間、バス通りに面した我が園のベランダは、通行人から丸見えで、道行く人々が私を見て、みんなが笑っていました。きっと「サンタが締め出された」と思われていたことでしょう。
さあ、やっと出番です‼
ベランダからガラス戸を開けて堂々とサンタの登場です!
子どもたちの「うわ~~!!」という歓声を浴び、今までの人生で一番注目をされた瞬間でした。
さっきまでの寒かったことや中腰で隠れていて腰が痛かったことなど、全て一瞬で忘れました。
サンタは外国人なので、「メリークリスマス!!」と言った以外はひと言も話さず、うなづくだけ。
でもね、子どもたちひとりひとりと握手をした時の、あの表情が今でも忘れられないのです。
本当にきれいな瞳ってきらきらするんです✨。
その無垢な瞳や表情を見ていると、今までに感じたことのない幸せな気持ちになれました。
うまく言葉で表せないのですが、心が浄化されるってこういうことを言うのかなと思いながら、私は、ひとりひとりの顔をじっと見つめていました。
準備に数時間、実演は数分間というなんとも淋しいサンタさんの時間。
でもこんな経験ができたことに感謝の気持ちしかありませんでした。
そんな保育園のクリスマス会も、長い年月が過ぎて今では少しずつ変わってきています。
もちろん、いろんな園の考えや方針があるので、すべての園で同じ変化があるとは言いません。
ただ、最近私の周りの園では、サンタさんは登場せず、サンタさんがみんなを見ていたよ、そして来てくれたよ、という形跡を残すだけの「におわせ作戦」の会が多くなってきているように思います。
毎年、いろいろな保育園で実施されているさまざまな行事。
子どもたちに喜んでほしい、その一心で保育士さんたちは頑張られています。
そのたゆまぬ努力の証が、子どもたちのきらきらした瞳にあるのです。
私自身は、保育園の行事がたくさんあることは、必ずしもいいことだとは思っていません。
保育士さんの負担が大きくなったり、子どもにも無理を強いることも起こり得ます。行事は誰のためのものであり、何のために行うべきものかを考えて、実施するものを選ぶ必要があると私は考えます。
ただ、全ての行事をなくしてしまうことにも賛成ではありません。
保育園や幼稚園だからこそ体験できる行事もあり、そこに夢や希望もあります。
子どもたちが大きくなった時、こんなことあったな程度の記憶かもしれませんが、それでもわくわくした楽しい思い出が一つ残るとしたら、それはきっと価値ある行事の経験なのだと思います。
そしてあんなにも綺麗で希望に満ちた瞳やわくわくした表情の経験を与えてあげられるのも、保育士さんなのです。
でも、保育士さんも楽しめる行事(保育)をするためには、心のゆとりが必要です。
毎日の業務に追われ、疲弊している状況では、子どもの夢をひろげたくてもできなくて当然です。
子どもたちのためにも保育士さんが笑顔で働ける環境を心から望みます。
でもそれって、お金だけの問題じゃないんだよ!
どうかどうか、がんばっている保育士さんにも、サンタさんがきますように🎄